柏と奥村

技術の低い歯科医に当たってしまうと、せっかく埋入したインプラントがグラついたり脱落したりする場合もあります。もちろん腕のいい歯科医が埋入してもそういったことは起こりえますが、その確率には大きな開きがあります。万一に備えて保証制度があるのないのかは手術に入る前にしっかりとチェックしておいた方がいいでしょう。
インプラント治療にもデメリットはありますがメリットの方がはるかに大きいという事実があります。保険が効かないので高額な治療費を支払っても、治療期間が長期間にわたっても、外科手術の必要性があっても、それ以上の価値があります。入れ歯やブリッジは失った歯を見た目だけでしか補ってはくれませんが、インプラントは自分の歯と同じように噛めるという機能を取り戻すことができます。
インプラントにすることで、美味しい食事が味わえます。味は当然ですが、食材の食感や温度まで再び感じられるようになります。固いものでも気にすることなく噛めるので、控えていたものも食べられるようになります。インプラントでは噛む力は入れ歯の4倍もあります。
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インプラントは保険が効かないので、高額な治療費が必要です。でもだからといって、値段を基準にしてインプラントを選ぶようなマネは決してしないでください。表示金額以外のものを請求されたり、安全性に問題のある製品だったりという場合もあります。インプラントを選ぶポイントは、最優先でその歯科医が信頼できるかどうかをチェックすることです。
インプラント手術は1本からでもできますが、たいていの場合複数本の手術となるケースが多いです。インプラントを希望するのは高齢の方が圧倒的に多く、なくなった歯が1本ではない場合が圧倒的に多数だからです。また、大半の歯が失われている状態のことを多数歯欠損と言い、このようなケースではオールオンフォーといった特別な方法が用いられます。
allon-4とは、ほとんどの歯がない方に行われるインプラント手術の最先端の技術です。今までの方法ではインプラントと歯の割合は1:1でしたが、all-on-4では4:16となります。片顎に4本のインプラントを埋入し、すべての歯を支えるという手法です。埋め込むインプラントの本数によって、all-on-6などと呼ばれることもあります。
近年では歯医者さんでもインフォームドコンセントを前面に打ち出しているところが増えてきました。特にインプラントなどの費用が高額になる自由診療を行っている歯科医院に多い傾向があります。外科手術というリスクと高額な治療費、長い治療期間を考えれば、患者の立場からしてみれば当然のことのようにも思えます。
インプラントの治療期間が長くなる理由としては、顎の骨に埋入したインプラントと顎の骨が結合するのを待たなければならないからです。サイナスリフトなどの骨造成を行う場合は更に時間が必要となります。長い場合には治療期間が2年を超える場合もあるようですが、インプラント治療完了後には生活の質が一変します。
インプラントは抜けてしまった歯を補うための治療ですが、同じような治療に入れ歯とブリッジがあります。入れ歯もブリッジも保険が効きますので安く済みますが、それ以上に大きなデメリットが際立つことも事実です。共通しているのは、『噛めない』『痛い』ということです。
入れ歯でもブリッジでも、見た目だけだと歯が揃っているようには見えます。けれども実のところは見た目だけの話で、噛むという歯の本来の機能があるかと言えば、現実にはそんな機能は備わってはいません。外見だけを気にするのか、もしくは噛むという歯の機能を気にするのかはいろんな状況を考慮に入れる必要がありそうです。